そろそろ動機を設定しておこう。
理由は、何となくで作るのも、もう飽きてきたからだ。
なので、これからは自分が聴き続けたい曲を作ろう。
いままでのは、自分が気に入る曲ではあったけど、聴き続けたいとまではならない感じのものばかりだった。
自分が、100円でもいいからお金を出して入手したいと思えるような曲を作れるように頑張ろう。
そのためには、自分を感動させるようにしなければ。自分とハウリングを起こせるほどの作品を、作り上げなければ。
答えが出るまで考えて、ようやく考えたことになるのだと誰かが言った。その人の言葉が本当ならば、俺は何も考えていないことになるんじゃないだろうか。
一応、考えてはいるんですよというフリさえしていれば、何もできなくても許される、自分が自身を許している現状が確かにあると思う。その結果が現状なのだから、結局そのツケは自分で何とかしないといけなくなってる。
考えすぎるきらいがあると思うんだったら、もういっそのことトコトン考えつくしてみたらどうなんだろうか。中途半端に考えて、適当な答えさえ出せずに「考えすぎるのがダメなんだ」と考えることを止めてしまうのは、何も考えないよりも性質が悪い。自分が信じられる――納得できる答えを出せるまで考えつくしてみよう。その答えを本当に信じ、納得しているならば俺はそれを礎に確固とした行動をとり、何らかの結果が出せるんじゃないだろうか。
その答えが他の人とは異質なものであっても、自らの納得するものは作れるようになるんじゃないだろうか。
納得できないものができてしまうのは、俺自身の考えが足りないからなのだろう。
どうしたら自分が納得するものができるのか、それを考えよう。何に納得し、何に納得できないのか。どうしてそこには納得ができて、またそこには納得できないのか。一つ一つ考えていって、自分なりの答えを出そう。
答えは、友人知人にわかってもらえるくらいまで、言葉にして説明できるくらいまで考えよう。
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070308/kondo.htm
アクションゲームのBGMの発想かな?
他のゲームジャンルにも応用ができると思うけど、NVLとかでもそういう感じにできるのだろうか。ヒマがあれば考えておこう。
メジャー・ダイアトニック・コードのコード・スケール
ⅰ ⅱ ⅲ ⅳ ⅴ ⅵ ⅶ
※ⅰを主音(キー)とする
Ⅰ△7
Ⅰアイオニアン
アヴォイド・ノート ⅳ
Ⅱm7
Ⅱドリアン
アヴォイド・ノート ⅶ
Ⅲm7
Ⅲフリジアン
アヴォイド・ノート ⅳ・ⅰ
Ⅳ△7
Ⅳリディアン
アヴォイド・ノート 無し
Ⅴ7
Ⅴミクソリディアン
アヴォイド・ノート ⅰ
Ⅵm7
Ⅵエオリアン
アヴォイド・ノート ⅳ
Ⅶm7(♭5)
Ⅶロクリアン
アヴォイド・ノート ⅰ
*****
マイナー・ダイアトニック・コードのコード・スケール
ⅰ ⅱ ♭ⅲ ⅳ ⅴ ♭ⅵ ♭ⅶ
※ⅰを主音(キー)とする
Ⅰm
Ⅰエオリアン
アヴォイド・ノート ♭ⅵ
Ⅱm7(♭5)
Ⅱロクリアン
アヴォイド・ノート ♭ⅲ
♭Ⅲ
♭Ⅲアイオニアン
アヴォイド・ノート ♭ⅵ
Ⅳm
Ⅳドリアン
アヴォイド・ノート 無し
Ⅴ7
Ⅴハーモニック・マイナーP5thビロウ(スパニッシュ8ノート)
アヴォイド・ノート ⅰ
♭Ⅵ
♭Ⅵリディアン
アヴォイド・ノート 無し
Ⅵm7(♭5)
Ⅵロクリアン
アヴォイド・ノート ♭ⅶ
※ハーモニック・マイナー時のコード
♭Ⅶ7
♭Ⅶミクソリディアン
アヴォイド・ノート ♭ⅲ
*****
ドミナント7thコードのコード・スケール
ミクソリディアン・スケール
○7の基本スケール
アヴォイド・ノート ⅰ
リディアン7thスケール(リディアン・ドミナント・スケール)
ミクソリディアン・スケールでアヴォイド・ノートになるⅰを♯ⅰに変化させ使用可能に
アヴォイド・ノート 無し
オルタード・ドミナント・スケール(スーパー・ロクリアン・スケール)
テンション・コードに♭9th、♯9th、♯11th、♭13thが組み込まれている
Ⅴオルタード・ドミナント・スケール=♭Ⅱリディアン7thスケールとなる
アヴォイド・ノート 無し
ハーモニック・マイナーP5thビロウ・スケール(フリジアン♯3・スケール)
テンション・コードに♭9th、♭13thが含まれている
メジャー・キーの中で、マイナー系コードにドミナント・モーションするセカンダリー・ドミナント7thに適用される。
アヴォイド・ノート ⅰ
ミクソリディアン♭6th
ミクソリディアン・スケールの第6音を半音下げて短6度としたスケール
テンション・コードに♭13thが含まれている
メジャー・キーの中で、マイナー系コードにドミナント・モーションするセカンダリー・ドミナント7thに適用される。
アヴォイド・ノート ⅰ
ホール・トーン・スケール
6音構成のスケール
オーギュメント(♯5)や♯11thが含まれている
これらの変化和声を持つドミナント7thコードの拠りどころとなるスケール
スケールの構成上、G7(♯5)かA♭7(♯5)の2つのスケールしか存在しない
コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール
8音構成
テンション・コードに、♭9th、♯9th、♯11th、13thを含んでいる
3つのスケールしか存在しない。
アヴォイド・ノート なし
スパニッシュ・スケール
8音構成
テンション・コードに、♭9th、♯9th、♯11th、13thを含んでいる
アヴォイド・ノート ⅰ
*****
ドミナント7thコードのコード・スケールの使い分けについてはまた後ほどメモをする。
各コード上のアヴォイド・ノートを覚えれば、多分スケールを覚えるのは楽。
スケールを覚えたら、音楽製作の幅も広がるので頑張ろう。
和音(コード)の切り替わりが(二拍で切り替わるくらい)早ければ、
明るい感じ、
生き生きとした感じ、
爽快感、
ワクワクするような感じ、
進んで行ってる感じがする
一小節以上で切り替わるときは、
リラックス、
緩やかな感じ、
立ち止まっている感じ、
かなあ。
てのひらのたからもの
CHEERIO! より
BPMは120
43小節くらいでループ
弱起で始まる楽曲
1~8小節:ヴァース
9~16小節:2ndヴァース
17~18小節:パートの継ぎ目
19~27小節:プレコーラス
28~35小節:コーラス
36~43小節:2ndコーラス
AABCC、かな? 型にしたとすると。
*****
ほしをみつめて
鈴がうたう日 より
BPMは100
三拍子
1~32小節:導入部。16小節までが導入部のみの役割で、17小節目以降からループ可能なパートになっている。
33~34小節:導入部からヴァースへのつなぎ
35~42小節:ヴァース。弱起なので正確には34小節から入ってる。
43~50小節:コーラス。
51~70:終結部。17小節目からの流れとほぼ同じ。最後の辺りが終結するようになっている。
1~8小節まではピアノのみの演奏
9小節に入りストリングスの単音旋律が入る。
17小節から、さらにメロディックなベルの旋律や伴奏、ベースの低音、ライドシンバルのリズムなどが入る。
25小節から、ストリングスがメロディに重なって演奏される。
33小節から、ブラスによるメロディが始まる。
導入部を除くと、AABC型の極めて単純な繰り返しになっている。
AAとBCで、メロディを奏でている楽器が異なり、それが良い味を出している。
*****
お名前何てーの?
ToHeartより
BPMは100
16小節でループ
1~8小節:ピアノによる和音がメロディのように打ち鳴らされている。
9~16小節:ピアノのトラックが消え、ブラスや木琴のメロディが鳴らされている。
両パートともに、リズムやコード進行が変わるということはない。
メロディ担当が交互に交代するだけ。
なので、AA型といえる。
*****
新緑の草原
ToHeartより
BPMは80
24小節でループする。24小節で完結するようできているが、BGMとして流すのであれば、ループさせる必要があると思うし、ループさせられる構造になっているのでループすると定義した。
型としてはAA’BB’CC’型。
Aパートはヴァース。4小節のブロックフレーズ。
Bパートはプレコーラス。4小節のブロック。
Cパートはコーラス。4小節のブロック。
○と○’はフレーズが似てるんだけど後半が、次のパートに続くように変化してるからそう書いているだけであって、8小節のブロックフレーズとして見ても、全く問題はなさそうだ。
*****
サンシャインDay
ToHeartより
BPMは118
32小節でループできる仕様。
型としてはAA’BB’CC’CC”かな?
Aがヴァース
Bがプレコーラス
Cがコーラス。C’とC”の違いは、次に続くのがCなのか、Aなのかということによるフレーズの差異。C’はもうちょっと続くよって感じだけど、C”はこれで一区切りって感じのフレーズになってる。
ただし、一週目には1小節分のドラムのフィルインによるイントロがある。
リードにブラス系のシンセの音
伴奏には、スラップベース。ドラムス。エレキピアノのコードがリズム良く打たれている。あとエレキギターのカッティングが入ってるのかな。
カッティングってどうやるんだろう?
*****
春風にのせて
ToHeartより
BPMは90
ループは不可能だと思われる。
8小節分のイントロがある。
AA’BCC’DEE’F
Aは4ブロック。ヴァース
Bは8ブロック。プレコーラス
Cは4ブロック。コーラス
Dは16ブロック。ソロ
Eは4ブロック。コーラスとほぼ同じフレーズだが、使われている音色が異なるので区別した。
Fは4ブロック。エンディング。
*****
ときめきシンパシー
ToHeartより
BPMは94
24小節でループする。
ABB’C
Aはパンフルートがメロディの代わりになっている。8ブロック。イントロ兼ブリッジ。C・Cパートでも伴奏としてパンフルートのリズミカルなフレーズは奏でられている。
Bはブラス系のシンセがリードになってる。4ブロック。
Cはピアノがリードになってる。8ブロック。
*****
あなたの横顔
ToHeartより
BPMは120
41小節でループ
弱起
AA’AA’BXCC’
Aは4ブロック。ヴァース
Bは8ブロック。プレコーラス
Cは8ブロック。コーラス
Xは1ブロック。プレコーラスとコーラスのつなぎ目。
*****
お嬢様はエレガント
ToHeartより
BPMは128
40小節でループ
ABCC’D
A・Bは8ブロック。イントロとブリッジ。
Cは8ブロック。ヴァース。
Dは8ブロック。コーラス。
*****
森川由綺
White Albumより
BPMは97
26小節でループ
AA’AA”B
Aは4ブロック。ヴァース。ピアノがによるメロディ演奏。
Bは10ブロック。コーラス。ストリングスによるメロディ演奏。最後の2ブロックはブリッジ的なものなのかも。
*****
緒方理奈
White Albumより
BPMは100
32小節でループ
AA’BB’CD
Aはイントロ。兼ブリッジ。4ブロック。
Bはヴァース。4ブロック
Cはプレコーラス。8ブロック。
Dはコーラス。8ブロック。
*****
澤倉美咲
White Albumより
BPMは98
弱起
32小節でループ
AA’BB’
Aはヴァース。8ブロック。
Bはコーラス。8ブロック。
*****
河島はるか
White Albumより
BPMは90
20小節でループ
IAA’BB’C
Iはイントロ。兼ブリッジ。4ブロック
Aはヴァース。4ブロック
Bはプレコーラス。4ブロック。
Cはコーラス。8ブロック。
*****
観月マナ
White Albumより
BPMは110
弱起
24小節でループ
AA’B
Aはヴァース。8ブロック
Bはコーラス。8ブロック
*****
篠塚弥生
White Albumより
BPMは98
26小節でループ
弱起的に一拍半のドラムのフィルインから始まる。
ABB’
Aはヴァース。10ブロック。尻尾の2ブロックは、ヴァースからコーラスへのつなぎとしての要素が強いと思われる。
Bはコーラス。8ブロック。
Aはクールな感じのシンセリード。サイン波的な波形。
Bはブラス系のシンセリード。どっちもクールだけど、印象が違うというかな。
*****
Red tint
アトラク=ナクア より
BPMは79
冒頭に4小節分のイントロがあるが、これを除いた33小節でループ。全体としては37小節で作られているということになる。
IAA’AA’XBB’C
Iはイントロ。4ブロック
Aはヴァース。4ブロック
Xはつなぎの1ブロック
Bはコーラス。4ブロック
Cはブリッジ。8ブロック
*****
こんな感じ。CD-DAの時代のBGMだから、一曲当たりの時間的制限などもあって長い時間でループするようなBGMが作れなかったり、数的にも制限があったのかもとか思った。
とりあえず、楽曲はイントロ、ヴァース、プレコーラス、コーラス、ブリッジ、ソロ、エンディングのいずれかの要素を持っているのが基本なんだなということが実感できた。
楽曲の最小単位はヴァースとコーラスを一度ずつの組み合わせ。今回のもので例を出すと「お名前何てーの?」だろうな。
どんな音楽でも、構造的に異質なものは作れないということが理解できたので、良かった。
それと、ヴァースやコーラスをくり返すことが禁則ではないなということもわかったので、安心。
いろいろこれを見て考えることもできるが、とりあえず、こんなところで。
第13章 和音進行のまとめ
D進行
①5度下行する和音進行はD進行と呼ばれる。
D進行の典型はⅤ-Ⅰである。これが各音度上に移される種々のD進行が生まれる。
3和音によるD進行
Ⅴ-Ⅰ
Ⅵm-Ⅱm
Ⅶm(♭5)-Ⅲm
Ⅰ-Ⅳ
Ⅱm-Ⅴ
Ⅲm-Ⅵm
Ⅳ-Ⅶm(♭5)
②D進行における3和音は、いずれもそのまま7音・9音を付加して4和音・5和音とすることができる。
4和音によるD進行
Ⅴ7-Ⅰ△7
Ⅵm7-Ⅱm7
Ⅶm7(♭5)-Ⅲm7
Ⅰ△7-Ⅳ△7
Ⅱm7-Ⅴ7
Ⅲm7-Ⅵm7
Ⅳ△7-Ⅶm(♭5)7
※5和音によるD進行も4和音と同じ
③また、これらの4和音・5和音を根音省略形とすることができる
a.先行和音を根音省略形とすることによって2度上行の和音進行が生まれる。
b.後続和音を根音省略形とすることによって3度下行の和音進行が生まれる。
※実際上根音省略形が認められるのはⅤ上諸和音だけである。今ここで他音度にも根音省略形を想定したのは、2度上行または3度下行する和音進行が変形されたD進行として成立するという事実を明確にしたいためである。
※先行・後続両和音を同時に根音省略形とすることは事実上無意味である。それはただ別種のD進行を生ずるにすぎない。
ⅦとⅢの和音
古典和声においては、ⅦとⅢの両音度は比較的に重要性が少なく、したがって用いられることもまれである。
①Ⅶの和音
※Ⅶと根音省略形のⅤ7とは外見上同一の和音であるが、機能的に全く異なった和音であるから混同してはならない。
Ⅶは機能的に最も薄弱な和音であり、後述する反復進行以外にはほとんど用いられない。
そこで前にあげたD進行のうちⅦおよびその根音省略形としてⅡを含むものは単独で用いられることはまずないと思ってよい。
※ただし、Ⅳ-Ⅱの場合だけは、後続Ⅱは事実上Ⅶの根音省略形としては考えられないので例外である。
②Ⅲの和音
※短調のⅢも同様に用いうるが、しかし単独に用いられた場合にはⅥ/Ⅴとして考えたほうが適当である
a.Ⅲは次にⅥ・Ⅳの二つの和音へ進みうる。
※理論上Ⅰにも進みうるわけであるが、これは単独には用いられない。ⅠはT和音としての色彩が強いからである。
b.Ⅲの先行和音としては、T和音Ⅰ・ⅥのほかにⅤがある。
※D進行によってⅢに到達しうる他の二つの和音ⅦとⅡ(Ⅶ7の根音省略形)は、さきに述べた理由によって単独には用いられない。
4和音の2度上行
①4和音は一般に5度下行のほか2度上行することができる。
※4和音が3度下行することも可能であるが、この場合にはほとんど常に掛留和音として考えるのが適当である。
②Ⅳ7が2度上行してⅤへ達する場合にはD2和音として考えられる。
Ⅳ上にはまたD2和音としてⅣ9を構成することもできる。
Ⅳ9の根音省略形としてのⅥ7もまたD2和音として用いうる。
S進行
①5度上行する和音進行はS進行と呼ばれる。
S進行の典型はⅣ-Ⅰである。これが各音度上に移されると種々のS進行が生まれる。
3和音によるS進行
Ⅳ-Ⅰ
Ⅴ-Ⅱm
Ⅵm-Ⅲm
Ⅶm(♭5)-Ⅳ
Ⅰ-Ⅴ
Ⅱm-Ⅵ
Ⅲm-Ⅶm(♭5)
②このうちⅦを含む進行はほとんど用いない。
またⅤはD和音としての性格が強いため、S進行によってⅡに進むことはほとんどない。
③S進行における和音はもっぱら3和音に限られる。
6音の付加はただ本来のS和音たるⅣにかぎって用いられる。
第14章 借用和音のまとめ
外調
外調とは、特別の近親関係をもって原調に結びつけられている調をいう。
①長調の外調
a.近親調
原調の各音度上3和音をそれぞれⅠとする調。
C長調を原調とすると
D短調
E短調
F長調
G長調
A短調
b.準近親調
同主短調、およびその近親調。
C長調を原調とすると
C短調
E♭長調
F短調
G短調
A♭長調
B♭長調
②短調の外調
短調の外調はその近親調だけである。
※外調以外は遠隔調という。
借用和音
借用和音とは、外調の和音が原調において一時的に借用されたものである。
これに対して原調本来の和音を固有和音という。
原則として外調のすべての和音を借用することができる。
①近親調からの借用和音
近親調の各音度上和音。
同一近親調のⅠにあたる原調固有和音に関係付けられる。
※副Ⅴ和音と呼ばれる和音となる。
※ただしⅤ以外の近親調所和音が借用されることはまれである。
②準近親調からの借用和音
a.同主短調からの借用和音
同主短調の各音度上和音(Ⅰの3和音を除く)。
借用された同主短調和音は原調本来の固有和音に対して準固有和音と呼ばれる。
※モーダル・インターチェンジによる和音のことだね。
※Ⅴ/'Ⅴは本来は短調の固有和音ではないが、実際上、固有和音と同様に考えてよい。
b.同主短調の近親調からの借用和音
同主短調の近親調の各音度上和音。
同一準近親調のⅠにあたる原調準固有和音に関係づけられる。
またこれらの和音が原調固有和音(ただし長調のⅣ・Ⅴにかぎる)に関係づけられることもある。
③特殊な借用和音
ナポリのⅡ
a.短調のⅡの根音を半音低めるとナポリのⅡ(-Ⅱ)ができる。
b.Ⅱと同様D2和音である。したがって、Ⅴまたは終止的Ⅰの第2転回形へ進む。ふつう第1転回形で用いられる。
※-ⅡがⅤへ進む時には、[Ⅱの第1転回形]-Ⅴのときと同様、上3声は全部下行する。その結果生ずる対斜はさしつかえない。しかし、-ⅡはⅤよりも終止的Ⅰの第2転回形へ進む場合のほうがはるかに多い。
c.長調においても借用されることがある。
d.-Ⅱもまた、それ自身の副Ⅴを持ちうる。
※-Ⅱ/Ⅴは外調の和音ではないが、他の副Ⅴと同様に考えてよい。
ドリアのⅣ
a.短調のⅣの3音を半音高めるとドリアのⅣ(+Ⅳ)ができる。
b.+Ⅳは3和音・4和音・5和音(および、それらの根音省略形)のいずれの形でも用いられる。必ずしも7音・9音の準備がいらない。
c.本来のⅣと同様D2和音である。したがってⅤへ進む。
高められた3音は2度上行する。したがって終止的Ⅰの第2転回形へは進めない。また7音・9音は2度下行する。
D2和音のまとめ
①D2和音として用いられるすべての和音をしるすと次のようになる。
長調
Ⅱm・Ⅱm7・Ⅱm7(9)
Ⅳ・Ⅳ△7・Ⅳ7(9)
Ⅵm・Ⅵm7(9)
Ⅱ・Ⅱ7・Ⅱ7(9)(Ⅴ/Ⅴとして)
♭Ⅴm(♭5)・♭Ⅴdim(Ⅴ/Ⅴの根音省略形として)
短調
Ⅱm(♭5)・Ⅱm7(♭5)・Ⅱm7(♭5)(9)
Ⅳm・Ⅳm7・Ⅳm7(9)
♭Ⅵ・♭Ⅵ△7
Ⅱ・Ⅱ7・Ⅱ7(9)(Ⅴ/Ⅴとして)
♭Ⅴm(♭5)・♭Ⅴdim(?)(Ⅴ/Ⅴの根音省略形として)
Ⅱ(♭5)・Ⅱ7(♭5)・Ⅱ7(♭5)(9)(Ⅴ/Ⅴの下行変質として)
♭Ⅴsus2(♭5)・♭Ⅴsus2 7(♭5)(Ⅴ/Ⅴの下行変化で根音省略形)
長調での借用
Ⅱm(♭5)・Ⅱm7(♭5)・Ⅱm7(♭5)(-9)
Ⅳm・Ⅳm7・Ⅳm7(9)
♭Ⅵ・♭Ⅵ△7
Ⅱ7(-9)(Ⅴ/Ⅴの短9の和音)
♭Ⅴdim(Ⅴ/Ⅴの短9の和音の根音省略形)
Ⅱ(♭5)・Ⅱ7(♭5)・Ⅱ7(♭5)(-9)(Ⅴ/Ⅴの下降変質として)
♭Ⅴsus2(4)・♭Ⅴsus2(4)(6) (Ⅴ/Ⅴの下降変質で根音省略形)
特殊な借用(短調での)
♭Ⅱ(ナポリのⅡ)
Ⅳ・Ⅳ7・Ⅳ7(9)(ドリアのⅣ)
Ⅵm(♭5)・Ⅵm7(♭5)(ドリアのⅣの根音省略形)
第15章 転調のまとめ
略
第16章 反復進行
反復進行
特定の和音進行の型が規則的に音度をずらせながら繰り返されることを反復進行という。
最初に現われる和音進行の型を原形とよび、次々に模倣されていくものを反復と呼ぶ。
D進行による反復進行
反復進行の多くは原形としてD進行が用いられる。原型に対し反復が上行または下行へ何度ずつずれていくかによって、いろいろできる。
①2度ずつ上行へずれていくもの
②2度ずつ下行へずれていくもの
③3度ずつ上行へずれていくもの
④3度ずつ下行へずれていくもの
⑤4度ずつ下行へずれていくもの
以上各種のうち、反復で2度ずれていく、①と②の型が最も多く用いられる。
特に②は、D進行だけで形成されるので最も重要である。
4和音・5和音の連続
①4和音・5和音の連続
4和音・5和音の連続においては、根音は五度下行を続ける。7回目に、もとの和音へもどる。
②Ⅴ7・Ⅴ9の連続
Ⅴ7・Ⅴ9の連続においては、根音は完全5度下行を続ける。その一こまごとに調が変わる。12回目に元の和音へもどる。(ドミナント・モーション!)
S進行による反復進行
原形がS進行によって構成されることはD進行の場合と比べてまれである。
次に比較的用いられるものをあげておく。
①3度ずつ下方へずれるもの。
原形-反復の継ぎ目がD進行になる。
②2度ずつ上方へずれるもの
原形-反復の継ぎ目がS進行になる。
③2度ずつ下方へずれるもの
多くは転調を含む
種々のカデンツによる反復進行
単独のD進行またはS進行以外に種々のカデンツ形が原形として採用されることもある。
※4和音にはバークリー理論に基づいたコード表記を勝手にしてるとこが一部あります。この本のだとわからんようになってしまいそうなので。
第12章
各音度上の4和音
①4和音は3和音と同じく音階の各音度上に構成される
長調:Ⅰ△7・Ⅱm7・Ⅲm7・Ⅳ△7・Ⅴ7・Ⅵm7・Ⅶm7(♭5)
短調:Ⅰm7・Ⅱm7(♭5)・♭Ⅲ△7・Ⅳm7・Ⅴm7・♭Ⅵm△7・♭Ⅶ7
②4和音は基本形と三つの転回形を持つ。
構成上から見た4和音の種類
長短両調各7個ずつの4和音は構成の相違によって次の4種に分けられる。
長7の和音
長調:Ⅰ△7・Ⅳ△7
短調:♭Ⅲ△7・♭Ⅵm△7
自然7の和音
長調:Ⅴ7
短調:♭Ⅶ7
短7の和音
長調:Ⅲm7・Ⅵm7
短調:Ⅳm7・Ⅴm7
減5・7の和音
長調:Ⅶm7(♭5)
短調:Ⅱm7(♭5)
4和音の用法
①4和音は5度下(4度上)に根音を有する(3和音・4和音・5和音)へ進む。
②7音は連続下行する(7音の解決)
※7音が解決する際、その解決音を直行によって重複してはならない。
③7音は前の和音から延長して到達される(7音の準備)
※ただしⅤ7の7音は準備がいらない。
基本形の進行
①基本4和音はふつう5度下に根音を持つ基本形4和音(または3和音)へ進む。
したがってバスは5度下行(または4度上行)する。
※第2転回形4和音へ進むこともできる。
②基本形どうしの4和音の連結においては、いずれか一方が不完全形となる。
その際、強拍にあるほうを完全形にしたほうが良い。
③強拍に置かれた基本形4和音の7音は、ふつうソプラノに置くのがよい。
第1転回形
①第1転回形4和音はふつう強拍に置かれ、次の弱拍で基本形3和音へ進む。
したがってバスは2度上行する。
※第3転回形4和音へ進むこともできる。
②第1転回形においても、強迫に置かれた4和音の7音はふつうソプラノに置くのがよい。
③転回形では不完全形は用いない。
第2転回形
①第2転回形4和音はふつう強迫に置かれ、次の弱拍で基本形3和音へ進む
したがってバスは2度下行する。
※基本形4和音へ進むこともできる。
②第2転回形のバスは、しばしば前の和音から延長して到達される。
その場合に7音をソプラノに置くことは好ましくない。
両外声間の同時的な移勢(シンコペーション)は、安定を欠くために一般に避けなければならない。
第3転回形
①第3転回形4和音はふつう強拍に置かれ、次の弱拍で第1転回形3和音へ進む。
バスは7音であるから常に前の和音から延長して到達され、次に2度下行する。
※第1転回形4和音へ進むこともできる。
②第3転回形においては、ソプラノに3音を置くことが好まれる。
短調の4和音
短調の4和音(または3和音)の構成音は本来すべて固有音のままである。ただD和音と用いられたⅤの3音(導音)だけがその例外である。
4和音のソプラノ課題の実習
①基本形・第1転回形
ソプラノにおいて強拍に延長された音が次の弱拍で2度下行しているときには、この音を7音とみなしうる。
この場合には、ふつう基本形と第1転回形が用いられる。
②第2・第3転回形
ソプラノにおいて次のジグザグ型が現われるときには4和音を用いうる。
2度上行、3度下行、2度上行、3度下行、2度上行
この場合には、ふつう強迫に、ソプラノの音を3音とする4和音の第2転回形、または第3転回形が用いられる。後者のほうがはるかに多く用いられる。
D2和音としてのⅡ7
Ⅱ7はD2和音としてカデンツ形成に重要な働きをする。
D2和音であるからⅤまたは終止的Ⅰの第2転回形へ進む。
4和音の連続使用
7個の4和音はいずれも適当な先行和音(準備を含むもの)から任意に導きうるが、いったん導かれた4和音は下の順序に従って5度下行を続け、安定和音Ⅰへまで導かれるのが普通である。
Ⅰ7→Ⅳ7→Ⅶ7→Ⅲ7→Ⅵ7→Ⅱ7→Ⅴ7→Ⅰ
※バークリー理論の書き方ではないので注意。
※ドミナント・モーションの♭のコードを抜いた進行とみることができる。
各音度上の5和音
①各音度上の5和音
5和音は4和音と同様に音階の各音度上に構成される。
②5和音の用法
5和音の用法は4和音とほぼ同様である。
a.5度下に根音を有する和音へ進む。
b.多くは連続的に用いられる。
c.9音および7音は前の和音から延長され(Ⅴ9の9音・7音を除く)、次に2度下行する。
※5和音を連続的に使用するには5声部を必要とする。
※4声部では1つおきに4和音または3和音が現れる。
d.転回形では用いられず、常に基本形である。
e.4和音とは異なり、ただまれにしか用いられない。
f.Ⅱ9はD2和音として単独にも用いられる。
付加6の和音
①付加6の和音
Ⅳの3和音の上に根音から数えて6度の音(6音)を加えるならば付加6の和音Ⅳ6ができる
※Ⅳ6はⅡ7の第1転回形と同形である。しかし、これらは全く異なる原理に基づいて構成されているのであるから混同してはならない。
②Ⅳ6の用法
Ⅳ6はⅣと同様S和音である。したがってT和音Ⅰへ進む。
5音は前の和音から延長して到達され、6音は2度上行する。
常に基本形で用いられ、基本形Ⅰへ進む。
③Ⅳ6の変形
a.Ⅳ6は5音が省略されることがある。
b.また5音が省略され、かつ根音から数えて4度の音(4音)が加えられることもある。
長調の場合では4音は3音よりも下方に置かれなければならない。ただし、3音が前の和音から延長して到達されるときは例外である。
短調のだアイではこのような制限はない。
Ⅰへの進行に際しては、4音は2度上行する。
④Ⅳ6の変質
Ⅳ6の6音もまた上行変質することができる。'Ⅳ6としるされる。
変質された6音は2度上行する。
※短調においては、変質された6音の進行が不可能となるので用いられない。
長調でCをⅠと捉えると
Ⅰ/Ⅴ:Ⅴ=G
Ⅱ/Ⅴ:Ⅵ=A
(Ⅲ/Ⅴ:Ⅶ=B)
Ⅳ/Ⅴ:Ⅰ=C
Ⅴ/Ⅴ:Ⅱ=D
Ⅵ/Ⅴ:Ⅲ=E
(Ⅶ/Ⅴ:Ⅳ=F)
こう考えるのかいいのか?
それとも
Ⅰ/Ⅴ:Ⅴ=G
♭Ⅱ/Ⅴ:♭Ⅵ=A♭
Ⅱ/Ⅴ:Ⅵ=A
♭Ⅲ/Ⅴ:♭Ⅶ=B♭
みたいな
要するに、四度圏表での時計回りになる感じで進むものとして考えればいいのかな。
とすると、ドミナント・モーションだよな、やっぱり。
上行変質はⅤに起こって、下行変質は短調のⅤ/Ⅴに起こるとか、理屈がわからねーけど、とりあえずそういうもんなんだろう。
いまは一度本を読み終えるまで通していかねーとなあ。